奇数は苦手だ。特に三人組は。
私以外の二人が、彼女らの間でしかわからない話題で笑い始めると、私は静かに後ろへ下がって距離をとる。
二人組を作るときは率先して余る。
全て他二人を優先に。私は後でいいのだけれど……やはり苦手だ。
私がいなくても、二人は二人で世界を作る。
「世界」をほぼ完全に作るには二人以上必要だというけれど、それは二人でいいということだ。
私は二人に必要ない。
もしも私の存在が役に立つとすれば、誰かに優越感を与えられることだろう。
二人は私を利用してくれているだろうか。奇数になることで、二人の気分は良くなっているのだろうか。
私の痛みで、楽しんでくれているのだろうか。
あれ、あれ。たった今気付いた。
私たちの中で一人だけ、常に独りにならない人がいる。
私も、私も、独りになるのが苦手で、でも独りになろうとしているのに。
気付いてしまった。この子が私たちを振り回していること。
この子が私たちを選別していること。
でもそれって、この子が一番、独りになるのを怖がっているってことじゃないの……?
私たちは今日も三人組。
独りになりたくなくて、三人組。
けれども人を独占したくて、誰かを弾いて二人組。